山岳ガイド ミキヤツ登山教室が紹介する、現場からの登山装備、技術論
私達は八ヶ岳の麓、小淵沢町に住み、専業でガイド業を営んでいます。 私たちのガイディングはガイド1名あたり、定員2名で行っています(クライミング講習会は4名)。 私たちのガイディングの目標は、私たちとの山行を通じてお客様がレベルアップを果たし、次の山行に活かしてもらえることを目指しています。 次の山行が、もちろんガイド登山であっても良いのですが、ご自身で、あるいは仲間同志で前回の経験を生かした登山を目指してもらうことが目標です。 そのために私たちがすべきことは、山行を通じて技術的なレベルアップを図っていただくことはもちろんですが、ガイディング中にどのような考えをしているかを伝えることで、行動中の判断 力を身に着けていただくことも目標としています。 実際、技術がどれだけあってそれを使いこなすだけの判断力が無いと役に立たないですし、多くのトラブルは技術的なミスから起こるよりも、判断ミスから起きていることを考えれば、それ らを重視せざるを得ません。 私たちのガイディングにおいて、最初に判断が求められるのは山行前日です。(実際には参加者のレベルという募集段階もありますが・・・) 私たちの最初にして最大の仕事は、その山行を行うか、中止にするか。あるいはルートを変更するかという判断です。 メインになる登山日はもちろん、アプローチ、下山も含めて、天気が良くない場合やコンディション不良が考えられる場合は中止やルート変更という判断をします。 この判断の内容も、参加を考えられている方にも、必ず役に立つと思っています。 ※もちろん、中止になった場合はガイド料は発生しません。 ガイドの仕事はお客様の安全を図る事。 @登山の安全を考えた場合、一番安全なのは、山に行かないという判断をすること。 (でもこれはガイドの仕事にならないですね) A安全度が高く、でも最も難しいのは、天気を判断し、良い時、良い場所を狙って行くこと。それができないときは中止という判断をすること。 B安全度は落ちるかもしれないけど、最も簡単なのはガイディングによってお客の安全を守る事。 C一番やりたくないのは、とりあえず集合、ダメならガイド料の一部いただいて解散、もしくは他の簡単なルートでお茶を濁すこと。 私たちが行うのはAの判断であり、皆さんに行ってほしいのもAです。 実際、天気が多少悪くてもガイディングによって安全を図れるのは、ガイドの能力として重要だと思いますが、僕らはもう一つ手前の判断をするようにし、併せてガイドの仕事としています。 「お客様はお金使って集合するわけだし」 「行ってみてコンディション悪くて仕方がなく一般ルート行ってガイド料もらうのも悪いし」、とか思って中止する以外に、大事な理由があります。 目的のルート、代替ルート、どちらもですが、コンディション悪ければ事故する可能性は高くなります。 それらはガイディングによって防ぐこともできるかもしれませんが、それでも可能性としては高くなるのは間違いありません。 事故だけでなく、例えば足をひねるとか、無理してひざを痛めるとか…。 天気の良い時には何でもないトラブルが、大きなトラブルに繋がってしまうことを、山では忘れてはいけません。 例えば、もしヘリの飛べないコンディションで歩行が困難(たとえ足の捻挫でも)な状況になれば、とたんに命に係わるトラブルに繋がってしまいます。 ガイド行為を行う人だけでなく、山で行動する人は、「先を読むこと」が求められます。 準備段階から、そして山での行動も、ルートファイディングでも、先を見越していなければ間違いを犯す可能性が高くなります。 そして忘れてはいけないのが、事故した時、トラブルが起きたときどうするか…。 僕らは事故を起こさないためのガイディングはかなり高いレベルで出来ると思います。それでも避けられない小さなトラブルはどうしても残ってしうのも事実です。 もし些細なトラブルが起きて、それが大きなトラブルにつながる可能性のある天気、コンディション時には、迷わずその山行は中止、もしくは他の天気の良い山域、ルートに変更します。 僕らガイドの仕事は、お客の安全を守る事。 中止、代替ルートへの変更ををこなうことは、ご了承ください。 (※実際、夏の期間は他のガイドよりも中止が多いので、ご了承ください) 私達はガイドをするために八ヶ岳山麓に住んでいます。私は名古屋出身ですが、確かに小淵沢でガイドをするのは営業の点では不利ですし、お客様にも不便かもしれません。ご自宅の近 くでの集合ができないですし、登山用品を購入する際には一緒に店に行くことも難しいでしょう。 しかし、山で生計を立てる以上は山に関するほかの仕事、つまり、遭難救助、登山道整備、地元自治体への協力(学校登山、町民登山など)に携わることも重要な仕事の一環となりま す。地元に住めば地元の人間にしか成し得ないガイディングも可能となります。 どうぞ地元のガイドによる地元の山(東海圏も入るのでチョット広範囲ですが)を、心ゆくまでお楽しみください。(久野) 私達の仕事は、「安全」な登山を楽しんでいただくことです。ツアーでは得られない、「安全意識」をお持ち帰りください(加藤)
加藤美樹 1970年生まれ
八ヶ岳山岳ガイド協会所属 (社)日本山岳ガイド協会 登攀ガイド
撮影:新井和也氏
生粋の関西人ではないが大阪育ち。
京都高等工芸学校美術デザイン科卒業。陸上部短距離ランナー。
航空自衛隊婦人自衛官、小牧基地勤務(旧名古屋空港)。
東海圏にて活躍する春日井山岳会出身。この会の今もなお現役の偉大なる先輩方に、山への姿勢を叩き込まれる。
カナダにワーキングホリデーで1年の滞在を経て、ネパールヒマラヤ/アマダブラム、北米アラスカ/デナリ(マッキンリー)の仲間との遠征登山へ。
ガイド業のオフシーズンである梅雨の時期は、ヨーロッパアルプス、ペルーアンデスなどを登って過ごす。
フリークライミングでのレッドポイントグレードは13a。オンサイトグレードは12a.
海と犬が好きな山岳ガイド(猫も好きだがアレルギー持ち)。
写真を見ただけではゴツイと勘違いされがちながら、実はゴツイのは肩幅だけ。154a44`と小柄。
皆様の夢を、クロコとして実践していくために日々精進しています。
久野弘龍 1971年生まれ
八ヶ岳山岳ガイド協会所属 (社)日本山岳ガイド協会 IFMGA・国際山岳ガイド
日比野中学校、瑞稜高校、愛知大学(柔道部)出身。
コテコテ生粋の名古屋生まれ名古屋育ちの名古屋人。最近は山梨県民化しつつあるが、以前は「でら」とか「どら」を連発していた。=(とても)の意味。
中学校はサッカー、卓球で全国大会優勝など、スポーツで有名な中学校だが、本人は陸上部出身。主将を務めるが、直接の後輩のほうかなり優秀な部員だった。
実は本人は絵を描くのが得意で、200万人都市の名古屋で「絵」で入選していたりする。
瑞稜高校時代はほとんど遊んでいて、DCブランドブームに乗って、バーゲンの時には学校を休んで通う。実はこの高校、江戸川乱歩、今井美希(走り高跳び)などの著名人を出す、名古
屋でも有名な進学・伝統校だったりする。愛知大学はオマケ。
フリークライミングで登山の世界に入り、ヨーロッパアルプスで洗礼を受け今に至る。
高所経験はペルーアンデスに足跡を残すのみだが、実はヨーロッパではソロ登攀をしていたりもする。売りはパワーと、理屈。
フリークライミングの得意ムーブは張り手(相撲?)。
マクドナルド、ハンバーグ、カレー好き。スターウォーズ、インディジョーンズ、パイレーツオブカリビンアンに、ランボー、ロッキーなどの映画が大好きで、お酒好き。ちなみに、戦争で死んだ
祖父さんは、大の酒好きで、お酒がないときには味醂を飲んだという強者。最近そんな血が濃くなったのかラム酒を飲むようになった。
読む本は歴史小説のみ。「坂の上の雲」「竜馬がゆく」「真田太平記」は人生のバイブル。それぞれ5回以上は読んでいるが、内容は覚えていない。でも、少なくとも人生に活きていると思
う。
種村洋 (外部スタッフ・協力ガイド)
(社)日本山岳ガイド協会認定 山岳ガイド
1980年代より渡欧し、以降ヨーロッパ生活が長い。
マッターホルンやモンブラン、アイガーなどヨーロッパアルプスを中心にガイディングを行い今に至る。
現在は夏はシャモニの自宅、冬は岩手県二戸の別荘で生活し、それぞれガイディング(ヨーロッパは現在はハイキングが中心)を行っている。
ミキヤツ登山教室では、雪の八ヶ岳・赤岳のコースの担当をしているため、おそらく日本で最も雪の赤岳をガイディングしているガイドの一人。(25回以上/シーズン)
このため、講習、実際のガイディングともにガイドの技量だけでなく、過去の参加者の意見や経験を活かしたガイディングが行えるガイドの一人だともいえる。
ワイン好きで料理好き。
佐々木剛
八ヶ岳山岳ガイド協会所属 (社)日本山岳ガイド協会 登攀ガイド スキー指導員
ある時は林業をたしなみ、またある時は庭師もすれば大工もする。そしてまたある時はガイド協会研修のスキー講師?
過去には山小屋スタッフの経験も長い。謎の多い人物ではあるが、れっきとしたスキー指導員の肩書きをも持つ、冬はプロのイントラである。
このバランス感覚とスキー指導のノウハウが、歩行技術の解りやすい指導にも繋がります。実はミキヤツ登山教室「陰の幹部」でもある。
夏には涸沢常駐隊員として涸沢に駐在。穂高で遭難したら救助に来てくれる、ヒーロー「三歩君」とは、佐々木さんのことを言う?(ビジュアル的にちょっと、かなり?違ってますが、見かけ
たら声を掛けてみてください。でも、遭難はしないでね・・・
仕事もフリーランスなら、ガイドもフリーランス?なので、他の仕事での入山もあって、意外に誰より多忙な人なのである。
山梨県民である我が家から10分のご近所さん?ながら、県境を越えた信濃境在住。長野県民である。
シエスタ 2000年生まれ〜2008年4月3日(癌にて病没)
フラットコーテッドレトリバー
メロンが好き。でも海も好き♪
蓼科のノースポイント出身。35`はあるが、本人(犬)は中型犬のつもり、らしい。
趣味は日記を書くこと。仕事は特にないが、納豆のパックを舐めて綺麗にするのは毎朝の日課になっている。近所の縄張りの点検も当然の日課であるが、朝も早くからキューン、キューン
と鳴いて、二人を起こすのも忘れない。穴掘りも日課にしている。
そんなわけで定職はないが意外に忙しいらしい。いちおう番犬もしているようだ。
フラットコーテッドレトリバー
KTってよんれね?水が好き!海が好き!
ノースポイントに子犬が居なくて、はるばる三重県の駒田JPから養女に来たお嬢。
趣味は、棒やタオルと戦うこと。
真のレトリバー(狩猟の回収犬)たるもの、投げたものは何でも取ってくる。(取って来ないけりゃ気が済まない)
かつ、水難救助犬の血筋も騒ぐのか?水を見れば飛び込まずには要られない。海水浴が大好きで、放って置いてもひたすら泳ぐ。
性格は極めて活発。かつ無謀。
名前の由来は、アメリカ人女性クライマーのケイティー・ブラウンであるためか、最近は岩も登る。
が、常に下降ルートは考えていないので、直滑降も得意。
歌手のKT・タンストールもまた由来であるが、歌は×だが、寝言にイビキはウルサい。
ガイド家庭の飼い犬として、日々研鑽。逆三角形の立派な胸囲となりつつあるある。
その目つきの悪さから、我が家では既にケティエナ(KT+ハイエナ)というニックネームが付いていることを、本人(犬)はまだ知らない。
命日は2008年4月3日
「オイラはシエスタら。おいららって、このほーむぺーじに、日記書いてのたら」
] 「アタイはケィティー。2007年10月27日生まれよ。」
山岳ガイド ミキヤツ登山教室は、夏山、冬山ともに国内では八ヶ岳、穂高岳、槍ヶ岳、剣岳、北岳、甲斐駒ケ岳など日本全国で、海外ではヨーロッパのシャモニ、ドロミテで山岳ガイド、登
山教室、クライミングスクールを行っています
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