岩登りは、上へ登るよりも、移動させた足に重心を移動させる!
つまり岩登りは、上のホールドを取って、足を上げたらそこから上がろうとするのではなく、移動させた足に重心を移動さてから
足で体を押し上げるという順序が必要です。
これを実現するのが、軸足でない方の足、つまり体が乗っていない方の足の使い方です。
傾斜が強くなるとなかなか登れないという方は、この「体が乗っていない方の足」の使い方を覚えましょう。
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一般的には、上述の技術は「体のフリ」といわれています。体を横にひねることで、軸足に乗って次のホールドを取るテクニックです。
しかし、「体のフリ」を実現するためには体をひねるよりも、軸足でない方の足、「乗っていない方の足」の使い方が重要で、これができて
いれば体がひねられて横向きにならなくても同じ効果があります。
「体のフリ」という技術は、ひねりではなく、「乗っていない方の足」をしっかりと「動きをコントロールする足」として使うことが重要な技術で
す。
「体のフリ」に対して、体を壁に正対させて登る「正対登り」という技術がありますが、これも実際には制御足をしっかりと使ってのひねり
の無い「体のフリ」だと言えます。
この「乗っていない方の足」をしっかりと使った正しい「正対登り」は、小さく、かかりの悪い手がかりで登る場合や、冬のクライミングなど
で必要な技術です。
以下は上の「体のフリ」になりきれない、そして「乗っていない方の足」をうまく使えていない、言わば正しくない「正対登り」を説明してい
ます。
逆に言えば、正しくない「正対登り」の正しくない個所を理解し、対処できれば正しい「正対登り」が理解できると思います。
上級テク!で説明した、「乗っていない方の足」を外に蹴りだせない状況では、この「正対登り」がより使われやすくなることも付け加えてお
きます。
悪い例 (ただし、乗っていない方の足(右足)をうまく使えればOK)
正対登りであっても、体のフリであっても、重要なのは軸足ではない「乗っていない方の足」の使い方です。
これが上手く使えるようになると、体の重さを軸足でしっかりと支えることができるようになるため、手の負担を減らして、安定した登りを
実現することができるようになります。
足場が小さい場合はスメアリングを多用せざるを得ません。
また、手がかりが小さいほど、体を落とし込んでいないと保持することができません。
このような状況では、どうしても壁に正対して登らざるを得ず、この時に「乗っていない方の足」を、うまく使えることが必要となります。
「人工壁では登れるけど、外の岩では登れない」
「ボルダリングなど、短いルートは登れるけど、長いルートは苦手」
「5.11台が登れる気がしない」とか、「最近、ボルダリングで4級程度で壁になった」など感じている場合は、「乗っていない方の足」をう
まく使うことを意識して登ってみてください。
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