山岳ガイド ミキヤツ登山教室が紹介する、現場からの登山装備、技術論 

 2016・ドロミテ−2 山岳ガイド・ミキヤツ登山教室      
 

山岳ガイド・ミキヤツ登山教室 久野弘龍・加藤美樹
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7月9日 Mさんヴェネチア到着〜カナツェイへ移動

7月10日 チャバッツェ ガイドルート8ピッチ 280メートル
 Mさんの実質滞在期間は6日。しかも6日目はベネチアへ移動しなくてはなりません。そのため初めてのドロミテ、しかも初日。ちょっと長めではありますが、お手軽アプローチのチャバッツェに行ってきました。
 到着直後で気候にも慣れていないと思われるので、下山が少しでも短くなるようなルートへ行きました。
 最初の数ピッチはやさしいのですが、後半で難しピッチが出てきます。じっさい、前を登っていたパーティはココで敗退。被った傾斜の強いコーナーを登るのですが、足場が乏しいため、かなり苦しい体制を強いられます。しかしドロミテのためにトレーニングを積んできたというMさん。軽いスリップはあったものの、頑張って登り切りました。
 景色もルート良く、、しかも自分の頑張った分だけ成果がでた今日は、Mさんにとって良いスタートだったと思います。


7月11日 ファイブフィンガー 9ピッチ+6ピッチ トータル500メートル
 明日以降の天気が不安定なので、早めのメインディッシュへ行ってきました。ドロミテにクライミングに来たならば、ココは絶対に外してはいけないルートです。
 これまでは親指だけ登っていたのですが、天候と他のパーティ次第では更に中指まで継続して登ることが出来ます。
 親指以降は更に傾斜が強くなるのですが、同時にホールドもさらに大きくなるため、登攀自体はやさしくなります。ほぼ垂直の信じられないピッチグレードVで、グレード自体よりもルートファインディングが難しくなります。僕らを抜こうとしたパーティは、教えてあげたにもかかわらずルートを間違えて行き詰まり、そこから敗退スリングを使って降りて行ってしまいました。
 ドロミテにはそんな誰かが敗退したときに使ったスリングが多数残っています。それらに騙されないルートファインディング能力が求められます。
 
 ドロミテの下山は概ね悪いと先にも紹介しましたが、ココは登ったルートをクライムダウンしなくてはなりません。信じられないV級の部分は流石に懸垂下降になりますが、トラバース部分はクライムダウンとなり、登りのルートファインディングの難しさとあわせて、行動の核心となります。

7月12日 悪天のためレスト
 午前中は持つと思われた天気は早くから天気が崩れてしまい、夕方の一時期を除いて断続的に雨が降り続いてしまいました。ドロミテを離れて南のアルコへ移動していればもしかしたら登れていたかもしれませんが、翌日の方がアルコの天気が良い予想だったため、今日はドロミテ滞在となり、結局はレスト日となってしまいました。

7月13日 悪天のためアルコへ移動、しかし天気が悪く観光・買い物 ドロミテでは降雪
 ヨーロッパ全土が天気が悪い中、ドロミテは降雪の予報。このため天気も安定している予報のアルコへ移動。アルコのある「サルカバレー(サルカ谷)」は到着時は日差しも時々ある状況でしたが、2ピッチ登った辺りで雷を伴う雨になってしまいました。
 急いで懸垂下降で降り立ったところに、隣で登っていたイタリア人パーティと合流。彼らが持っていた、頂上で飲む予定だったと思われるビールを皆で回し飲み。ぬるくなったビールが、なぜか甘くておいしかった日でした。


7月14日 グラン・サール13ピッチ・280メートル 降雪のため、午後から行動
 2日前からのヨーロッパ全土を襲った嵐はドロミテでは降雪をもたらしました。天気は朝には良くなってきたのですが、強い寒気が入っているために山はガスが掛かっていました。
 昼には日差しも戻り、壁の雪も解けてコンディションが良くなることを予想し、昼前に出発。
 風向き、壁の向き、形状を考慮し、コンディションが良くなりやすいとおもわれるグラン・サールへ向かいました。
 このルートメジャーではないのですが、見た目も良く快適なクライミングが楽しめます。場所も南チロルエリアのガルデナpassにあるため、景色は良好。しかも頂上には反対側から歩く登山ルートが付いているため、下山は時間が遅くなっても問題なし。しかもドロミテのこの時期は21時まで明るいため、昼過ぎに登り始めることもできます。
 結果は大正解。
 周りにの山は雪で白いにもかかわらず、南壁のココだけは僅かな日差しでコンディションは好転し、クライミングを楽しむことが出来ました。
 ・・・ただし、とても寒かったことは言うまでもありません。

7月15日 ポルドイ・マリアカンテ 10ピッチ300メートル Mさん夕方からベネチアへ移動
 短い期間で来られたMさんも今日の夜にはベネチアへ移動しなくてはなりません。
 短いアプローチ、素早い下山と言えば、やはりポルドイ。ここもドロミテ西部では外すわけにはいきません。
 昨日よりも気温は上がって、快適なクライミングを楽しむことが出来ました。
 
 話しは変わって、ドロミテのお土産でお勧めなのが、アンモナイトの化石。
 ただの石ころだと思わないで!
 ここで手に入るアンモナイトの化石は結晶化していてまさに宝石状態。その昔、松坂屋や三越のイベントでケースに展示されていてもおかしくはないものが数ユーロで手に入ります。
 いくつかの土産物屋で売っていますが、ベストはこのポルドイ峠の土産物屋。ぜひ探してみてください。

 登攀後、アパートに戻って片づけをして、Mさんと共にベネチアへ。
 Mさんはベネチアの街中にあるホテルで娘さんと合流するため、僕もベネチアのホテルまで送ることになり、初めてのベネチアを短い時間ながら経験しました。
 
 ・・・ベネチアは凄いところです。
 初見でホテルを探すのは、はっきり言ってかなり困難です。個人で行かれる方は事前にストリートビューなどで、ホテルの外観を確認しておくか、一目でわかる様な高級ホテルをお勧めします。
 ベネチアは夜がお勧めです。
 イタリア自体が(日本と比べて)あまり街がきれいではなく、ゴミが目立ちます。夜ならそれも目立たず、ベネチアの町はとてもきれいでした。またベネチアへ行くことがあれば、夜しか行かないかも。
 ベネチアを効率よく楽しむのであれば、現地ガイドを利用するのがお勧めのようです。
山岳ガイド・ミキヤツ登山教室


 山岳ガイド・ミキヤツ登山教室は、加藤美樹、久野弘龍がそれぞれ主催する個人ガイドの集合体です。
 
 日本山岳ガイド協会認定のもと、それぞれ山岳ステージ2、国際山岳ガイド資格を保有し、ガイド業を行なっています。




 私たちは、ガイド業を通じて技術や道具、登山情報を、過去の慣習や過去の経験ではなく、現在の経験に基づいた現場情報を提供することで、登山をする方が安全に楽しめることを目標としています。

 ガイド業務中には皆様の安全を図ることはもちろん、、講習会や行動しながら登山技術を伝えることで、ご自身で行く登山をサポートします。

 これらのことを実現するための手段がガイド業であり、皆様に提供する情報を得るために現在もプライベートでのクライミングを続けています。 




主なガイド・フィールド

 海外

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イタリア・ドロミテ・クライミング
ギリシャ・カリムノス島・クライミング
タイ・プラナン(ライレイ)・クライミング
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 国内

八ヶ岳・冬季登山、クライミング
小川山・瑞牆山・クライミング・講習会
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加藤美樹・久野弘龍

日本山岳ガイド協会認定
国際山岳ガイド連盟認定
八ヶ岳山岳ガイド協会所属

〒408−0041 
山梨県北杜市小淵沢町上笹尾3331−711 
メール:mikiyatsu2008@gmail.com  
電話:0551‐36‐6345 
携帯:090‐7195‐6134(久野

ブログ:山でボナペティ!  
ホームページ:http://mikiyatsu.jp/




7月16日 Fさんベネチア到着〜カナツェイへ移動 Hさんトルコのクーデターの影響で未到着
 この日、本来はHさんとFさんが到着予定だったのですが、トルコのクーデターでHさんが未着。Hさんはトルコに到着していることのみが確認でき、その後の行動は未決定。
到着もいつになるかわからないという連絡があったため、Fさんのみベネチア合流後、ドロミテへ移動。

7月17日 Fさんグランサール13ピッチ・280メートル Hさんベネチア到着〜カナツェイ
 今朝になってもHさんの到着予定は立たないため、Fさんのみドロミテスタート。
 ルートは初日からは少し厳しくなってしまいますが、グランサールへ。
 このルート、岩が少し脆い個所もありますがやはり良いルートです。今日は朝から登ったので、頂上にはギャラリーがたくさんいました。
 この時期にはこれまで目につかなかったエーデルワイスがこの頂上付近でも数多く見られました。

 ルートを登っている途中でHさんからベネチア到着19時ごろの予定が決まった旨の連絡があり、夕方から空港まで迎えに行くことに。

7月18日 ヴィアフェラータ・コラック 
 昨夜到着したHさんは72歳。初日にクライミング厳しいかもしれないという事で、ヴィアフェラータへ行ったことが裏目に。Hさんにとってはかなり厳しいコンディションになってしまったようで
した。

 今回のルートはコラック山。
 カナツェイの町の背後にそびえる山で、いわゆる純粋な登山ヴィアフェラータ。ヴィアフェラータによって山頂に立つことの出来る山です。
 他のエリアのビアフェラータに比べて地図上では地味ですが、頂上やルート中、下山での展望、ルートの内容、難易度など、どれをとってもお勧めです。

7月19日 ファーストセラ
 昨日のHさんの、「クーデター疲れ+初日の行動による疲れ」を考慮し、方針転換。
 今後はクライミング主体で行動をすることに。
 そういう訳で、コンディショニングを兼ねてファーストセラへ。


7月20日 ファイブフィンガー
 やはり、ファイブフィンガーは外せません。
 この日は平日なのに何故か混んでいて、選考に5人パーティ(2パーティ)。取り付きから2ピッチ分でラインをずらしながら登って先行させてもらいました(彼らもラインが解りにくかったよう
で快く譲ってくれました)。
 Fさんも、クーデター疲れの抜けてきたHさんも快調にクライミング。後ろを振り返ると、おそらく10パーティ近くが登っていましたが、後続に追いつかれることなく終了。快適なクライミングを
楽しむことが出来ました。

7月21日 ポルドイ・マリアカンテ 10ピッチ300メートル
 初めてのドロミテでポルドイの展望台に上がらないわけにはいきません。という訳で今回もポルドイ。
 今日から数日、午後から天気が不安定。このため、ポルドイのクライミング環境はそんな午前中勝負のスケジュールでは最適なルートです。
 Hさんもドロミテへ来るまでは昨年のシャモニ以来1年間クライミングをしていませんでしたが、この頃にはクライミングにもだいぶ慣れてきたようです。

 実際、ドロミテで登ると、クライミングが上手くなると思います。特に難しいルートへ行っているわけではないのですが、1日に登るピッチ数が多く、しかもそのほとんどが傾斜が強いフェイス
ルート。たまたまホールドが大きいためにグレードは高くはないのですが、それでもムーブ自体はしっかりと求められます。
 また登っている環境が良く、そのルートの内容、質の良さ、景色、雰囲気も併せると楽しくないわけがありません。心から楽しみながらクライミングをしていれば、それは上手くなると思いま
す。
 

7月22日 ヴァイオレット 5ピッチ チロリアンブリッジ  コルチナへ移動
 今日は午後からコルチナへ移動の予定。しかも午後から天気が崩れる予想。
 このため短めのルートという事でカテナチオ山群にある、ヴァイオレット谷へ。
 ここの短くとも、楽しめるマルチピッチクライミングルートへ行ってきました。
 5ピッチのルートの途中ではチロリアンブリッジもあり、変化にとんだクライミングを楽しめますが、グレードがかなり辛めです。5.6と5.8の表示ですが、5.9と5.10bぐらいはあると思い
ます。
 このルートは山小屋の建っている草原台地に出て終了となりますが、ここにもエーデルワイスが群生していました。

 ドロミテというと、日本ではコルチナという町が有名で、この辺りの山域のみに人が集まるようです。しかし実際にはドロミテというのは四国程の大きさの範囲に、大小いくつかの山群があ
り、コルチナ周辺はそのうちの一つにすぎません。
 今回私たちはいくつかの山域のうち、最も効率的にクライミングを楽しめるセラ山群を中心に行動してきましたが、そのセラ山群も数多くの山群の一つにすぎません。
 HさんとFさんは比較的期間が長いこともあり、ドロミテを代表するセラ山群とコルチナ周辺を周ることにしました。

 夕方、雨の中、カナツェイからコルチナへ移動。
 一度に荷物と人を車に乗せきれないため、久野のみ再度もう1往復。
 クライミングと峠でのアクセル、クラッチワークによって足が攣ってしまいました。
 ・・・・クライミングより、峠の足さばきが疲れます。

7月23日 チンクトーレ
 コルチナの町は物価も高く、人も多く、特にメリットが少ないので、その下のズエル(Zuel)という集落のアパートに滞在。ここを基点に後半戦を行動します。
 しかし、そうはいってもここ数日天気が安定しません。
 このため、午前中勝負の行動計画をすすめます。

 いつ雨が降るかわからない状況で、快適に楽しもうと思ったら、コルチナ周辺ではやはりチンクトーレです。「なんだ、チンクトーレかよ」を言われても、この天気では仕方がありません。週
末で人が多いとわかっていても仕方がないのです。
 やはり考えることは同じようで、朝早くから多くの人、様々なレベルの人が来ていました。

 チンクトーレは5つの塔という意味ですが、実際にはもっとたくさんの岩峰があります。大きいものは150m、小さなものは50mぐらい。もっと小さなボルダー、といっても10メートル以上あ
るものも含めれば無数にあり、車を降りて20分程度でほとんどの岩峰に到達できる便利さから、人気のエリアになっています。

 雨が降りそうで降らない状況の中、空いているルートを巡りながらマルチピッチクライミングを楽しみます。長いルートはやはり混んでいますが、短めの(と言ってもルート全長は100メート
ル以上ありますが)るーとを選べば、この人の多さの中でも十分快適に楽しめます。
 10ピッチ分ぐらいを登ったところで雨が降りだし、結局は14時過ぎまで登ることが出来ました。


7月24日 ヴィアフェラータ コルデボス
 コルチナの町の景色は背後にそびえるクリスタロという屏風のような山がシンボルとなっていますが、それ以上に存在感のあるのがトファネという山です。この山、実際には3つの山から成
っていますが、最も目立つ存在は「薔薇のトファネ」という山で、まさに三角形をした、朝夕には赤く染まる、そして、そもそもの岩が赤く輝く岩山です。ちなみに他の2つは「中間にあるトファ
ネ」と「奥にあるトファネ」です。
 今日のルートは、そんなトファネだったらよかったのですが、やはり午後から天気があまり良くありません。ヴィアフェラータにもう一度行きたいというお二人の希望もあり、トファネの横にあ
る岩の台地、コルデボスのヴィアフェラータに行きました。
 このコース、2010年ごろに作られたコースで、今は大人気のヴィアフェラータコースとなっています。

 ルートのスタート地点は第一次世界大戦時には野戦病院があったそうで、今もその残骸が残っています。6月中にはイタリアの軍隊がここで演習を行っています。ヘリがバラバラと飛びか
い、道路も封鎖している中で、いったい何をしているのかはわかりませんが、イタリアの軍隊がゲレンデでクライミングをしているのはよく見かけます。

 やはり人気コースだけあって、ワイヤーの継続性、求められる体力度、景色、などどれも満足のいくものです。時間もアプローチから下山を含めて6時間ほどなので、お手軽に楽しめるコー
スとしてお勧めです。


7月25日 トレッキング ラヴァレド 
 ドロミテの中で最も有名な景色が、ここ「トレ・チメ・ラヴァレド」でしょう。「ドライチンネ」と言った方が解りやすいかもしれません。トレ・チメ、ドライチンネ、共に3本の塔というような意味だと思
うのですが、実際には3本以上あり、名前もしっかりとそれぞれついていてます。3本の塔という名前はこの岩峰群の近くで見た景色ではなく、下のランドロという湖付近から見た時に3本に
見えるためにその名前が付いたのだと思います。

 折角コルチナに来ているので、ここもトレッキングで行ってきました。
 本当はクライミングがよかったのですが、午後から天気が悪くなるので仕方がありません。

 多くの場合左回りでトレッキングするのですが、朝の幻想的な北壁の景色を求めてあえて右回りで進みます。天気が不安定な分、空、空気の状態が刻一刻と変化し、トレッキングでも十
分に楽しむことが出来ました。

 次回は是非、チマグランデ・北壁とは言いませんが、北西稜を登りましょう。
 ・・・ノーマルルートは他に任せます。


7月26日 峠ドライブの後、ベネチアへ移動、帰国
 今日は移動・帰国日。
 コルチナ周辺のもう一つの有名処、パッソジアウへドライブをしてベネチア空港へ向かいました。

プライベート期間
登ったルート

マドンナ パラ山群
セラタワー 幾つか
チャバッツェ ロベルタ
チャバッツェ ジョバンニパオロU
アルコ スパイダーマン
アルコ ロベルタ

ルアルトゥ 
ニキビ
トファネ
コルディメッツォ
コルデボス
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山岳ガイド ミキヤツ登山教室は、夏山、冬山ともに国内では八ヶ岳、穂高岳、槍ヶ岳、剣岳、北岳、甲斐駒ケ岳など日本全国で、海外ではヨーロッパのシャモニ、ドロミテで山岳ガイド、登
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